今週のことば
『鬼子母神』(きしぼじん)
静かな朝。目を覚ますと日差しはまだ柔らかく、遠くから聞こえてくる鳥の声が静寂を包みます。今週のことばは、そんな朝の静寂を優しく包む存在、「鬼子母神」です。本来は獰猛だった存在が、すべての生き物を慈しみそして守る力強さへと変貌した――そんな故事を秘めています。
やさしい解説
「鬼子母神」は仏教における名高い守護神の一人であり、その名の由来は「夜叉の子」という意味です。彼女は元々、夜叉族の鬼神でしたが、ある時、仏陀との出会いによりその心は大きく変わります。そこには、慈悲に満ちた「仏法」の力が存在していました。
彼女は自分の子供が仏教の教えに従うという誓いを立て、「法華経」や「陀羅尼品」で表される守護の誓いを捧げました。その誓いは、母の愛情と、すべての生き物への守護を語るものであり、その心は現在の私たちの日常生活にも深く響きます。
鬼子母神の存在は、子育てや家庭、人間関係において示唆に富んでいます。また、母性や成長、守護や慈しみのテーマが彼女の故事を通じて学びやすくなっています。
実践ヒント
お寺や仏教のなかでも、鬼子母神は具体的で身近な存在です。以下に彼女の素晴らしさを日常生活に活かすヒントをいくつか提案します。
- 心の持ち方:「思いやり」を常に心に置きましょう。皆の生活に対する敬意と理解を忘れずに、相手の身になって考えることをはぐくみます。
- 日々の習慣:日常の一部で、鬼子母神の故事を思い浮かべてみてください。それは瞑想であったり、日々の行いに感謝する時間をつくることもできます。
- 行動のヒント:慈しみ深い行動を心がけます。「接する人々を、自分の大切な家族のように想う」という行動がかけがえのない守りとなります。
日々の暮らしに一言
「愛されるためには、愛すること」。まさに鬼子母神の慈悲深さが教えてくれる言葉です。一日も早く、このことばが広がり、世の中の絆が深まりますように。
ごあいさつ
今週もここまで読んでくださり、誠にありがとうございます。何気ない日常の中で、時々立ち止まり、心の奥を見つめ直す瞬間を見つけてみてください。慈愛に満ちた鬼子母神が、あなたの一歩一歩を見守っています。
来週もやさしい法華経の教えをお届けします。ぜひ、またお会いしましょう。
作成日:2025年12月6日(土曜日)


